iDX7 の日本初（!?）レビュー「YAMAHA DX7/TX7のFM音色合成をiPadからエディット出来る!」

iDX7 - iControlMIDIをAppストアでチェックする。
iDX7はiOSアプリとしてはかなーり、お高い。だが手でDX7/TX7の音色をエディットしていけるコントローラーが手に入ると考えれば高くはない。
（この値段ならエンベロープがグラフ表示になるくらいのことはしてくれてもいいと思うんで、やっぱ高いか。）
昨年なぜかFM音源への探求がしたくなってTX7を中古で買い、価格が~~3,500円~~→2,600円と値下げになったタイミングでiDX7も思い切って導入。しかし...その後すぐ熱は冷め使わなくなっていたんだが昨夜再燃笑。「デトロイトテクノのベースの音色を再現したい！」
Mac OSXには DX7 Librarian（こちらからどうぞ）という素晴らしいDX7/TX7エディターがあるのだが、DX7 Librarianは「パラメーターを弄っては送信（Command＋T）」を繰り返すタイプなので(訂正：パラメーターを弄ったらすぐに音色が変わるふうにも設定できた)音色の変化を聞きながら判断するような感じではない。iDX7はパラメーターを弄ったらすぐに音が変化してアナログシンセのような感覚で勘だけでいける（とはいえFM音源なんで慣れてないとワケわからんから注意）。AbletonのFMシンセOperator(FM音源のシンセサイズの感覚を覚えるにはかなり良い！音も凄く良い。)を2004年から弄ってちょくちょく音色を合成し続けてきたのでなんとなく感覚が身についてたので、それの延長で作業した。まずはDX7 Librarianの膨大なオンライン音色の中からBassカテゴリをひたすら試聴して近そうなやつ（といってもほとんどは生のベースを再現した音色ばかりで全然太いベースが見つからない）を選び、iDX7で調整というやり方。主にオペレーターの混ぜ具合で音色がガラリと変わるのがFMシンセサイズの醍醐味。
例えば、Op1がサイン波の低周波、Op2が太さ担当の中低域、Op3が「ビョン」ていうアタック音でゴムっぽい弾力を担当みたいな感じだとするとアナログシンセだったら単にそれらをミキサーで混ぜていく感じだがFMシンセはかけ合わせていくので相互に音がモジュレーションされて新たな倍音が発生する。この倍音が人間の感覚からすると比較的予想外の変化なので面白いし、人によっては「難しい」という印象になる。
オレの場合は理屈はあまり考えず取り敢えず手を動かして耳で判断するタイプなんで時間はかかるがなんとか狙いの音に近づけた。
今回再現したかったSolid Bass（Lately Bass）はYAMAHA DX100やTX81Zのプリセットをデリック・メイやホワン・アトキンスなどのデトロイトテクノ勢が使ったとこからヨーロッパで評価されていった〜という歴史的経緯があるんだが、音色を作ってから色々ベースラインを打ち込んで聴いてたらオービタルのセカンドアルバムくらいまでのベースの音もこの感じなんだな。オービタルもデトロイトテクノのフォロワーなんだな(彼らはサウンドにオリジナリティがあるのでついつい忘れがち)。
最近俺はどうも「MIDI全盛期の打ち込みっぽさ」のある90年代のテクノの良さを世の中に伝えていきたいと思ってる節があるので、なんか新しい・そして重要な武器がひとつ手に入ったような気分で眠れなくなったのだった笑。

最新のデモソングの構成

ドラムをENSONIQ ASR-X、シンセをROLAND JUNO-106
こういうトラックにはツルッとしたソフトシンセよりも、やはりTX7のようなレガシーなハードウェアの少し「ジャンクフード的」な音が合う気がする。
きっと次のバージョンではTX7のベースを足したデモになるだろう。
http://soundcloud.com/yazawatamio/