KREVAがライヴでAbleton PUSHを使ったのは何故か?


LIVE ALBUM 「SPACE TOUR」(初回限定盤)


KREVAが2013年夏のライヴで新機材Ableton Pushを導入した模様。↑上の写真がAbleton Pushという機材。当ブログではよく出てくる(こちらからどうぞ)が改めてカンタンに説明。

セカンドステージで
進化版押し語りを披露させていただきました。
Ableton Pushという機材をつかって
ボコーダーを演奏するという
おそらく世界的に見てもレアな機会を
皆さんにご覧いただきました。
必死になって練習していたのは、これでした。

908fes 終了 - BLOG | KREVA

会場からは叫びに近い歓声が湧き起こった。以降は新機材であるAbleton Push(エイブルトンプッシュ)をひっさげたKREVAもステージを共にし「サプライズ」「I miss you(HOUSE MIX)」「Day and Night」のほか、新曲「遠くまで feat.KREVA」などを演奏。
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「押し語り」というネーミングは「弾き語り」のヒップホップ版という茶目っ気であろう。
ボコーダーというのは歌うときにPerfumeのようなロボットのような声になるシンセサイザーエフェクターのことだ。歌をシンセサイザーに通した状態で弾くとあのようなロボットの声になる(厳密にはボコーダー以外にもAuto-Tuneという音程のためのエフェクターもある)。先日の亀田音楽専門学校KREVAの回でも番組の終わりにKREVAボコーダーで歌っていた。ああいうライヴでは歌手の口の動きとシンセの演奏を完璧に合わせるのは難しい。Perfumeが「口パク」なのも中田ヤスタカの複雑なボコーダー演奏を生で、なおかつPerfumeの3人の口の動きとライヴでシンクロさせて弾ける人がいないからだ。おそらく中田ヤスタカ本人ですら無理だろう。
ところが本人が弾いて歌うなら話は別だ。ライヴ演奏におけるボコーダーのタイミングは本人が弾いて歌うのが最も合いやすいのだ(=簡単...では無いので練習を要する)。だからこそKREVAは「押し語り」に挑戦したのだ。


↑ビートを作るために必要な機材としてKREVAがメインで使っているのはAKAI MPC4000というモデル。
Ableton PushとMPC4000のふたつを見比べると似たようなマシンに見えるが、演奏するのに使うゴムのパッドに注目すると違いが分かる。
MPC4000は4×4で16のパッド。
Ableton Pushは8×8で64のパッドだ。

ドラムの音やサンプリングした楽器のフレーズをパーカッション的に演奏するのなら16のパッド(をバンク切り替えしながら)で十分だが、メロディーやコードを演奏するには64個のパッドが必要になる。

メロディーやコードを演奏するというのは、すなわち鍵盤演奏と同等のことをパッドでやるわけだから鍵盤並にたくさんのパッドが必要になるわけだ。

KREVAは、なぜ鍵盤ではなくパッドで演奏したのか?

ヒップホップという音楽の良いところは誰でもカンタンに始めることが出来る点にある。鍵盤の演奏は難しいというイメージがあるが、それは何故かというのを考えたことがあるだろうか?
答えは黒鍵があるからだ。
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Ableton Pushの場合は黒鍵が無く、均等に音階が並んでいるので押す順番と関係性を手が覚えれば転調したりするのもカンタンだし、何よりも鍵盤のように決まった「正しい」弾き方もないのでどんなふうに演奏しても正しい。パッドでメロディーやコードを演奏するというのは実にヒップホップ的なのだ。
Ableton Pushでは今弾いているのがドなのかミなのかというのも意識する必要がない。曲に合っているかどうか、意図しない不協和音になっていないかだけ耳で感じていれば良いので絶対音感も不要。
オクターブをジャンプするようなダイナミックな演奏も64個のパッドなら最小限の移動ですむのでカンタンに行えるし、半音ずつ下降、上昇するのも楽ちんだ。

良いことだらけのようだが、曲を分析するときには鍵盤のほうが優れる。ドかミかというのをはっきり分からないといけないからだ。曲を分析したり研究するのには鍵盤のほうが向くということになる。


他にもこのような新機材を導入したらしい。

ここからは自分の出番。
登場「パーティはIZUKO?」の際に
Numark Orbitというコントローラーを使いました。
簡単にいうと、色々な機材を遠隔操作出来る機材です。
パッドの色を908fes仕様に変更して使いました。

908fes 終了 - BLOG | KREVA

Numark Orbitというのはこれ↓

ゲームのコントローラーのようなノリでパソコンの音楽ソフトやDJソフトを演奏出来るアイテム。
おもちゃっぽさが逆にステージでは映える。一発ネタとして面白いコントローラーだ。

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手前味噌だけど、Ableton Live8のボコーダーを試す動画↓
ラップを録音して、ボコーダーに通してみた。
https://www.youtube.com/watch?v=Uf-nrIa9ZHM



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