新たに動画と記事でキックの音の作り方を解説 Ableton Live9の使い方日本語チュートリアル

http://www.youtube.com/watch?v=vK5nLpCeMuU

キックの音は自分で作ったほうが納得行くものが出来る。

ふたつのキックを組み合わせて鳴らす。
アタック+サブキック(胴鳴り)=あなた好みのキック ∩(´∀`)∩ワァイ♪
という方式。

アタックというのはキックのキャラクター。この部分にはお好きなサンプルを。今回はヒップホップ系のサンプルを使った。味のある質感のキックはブラック・ミュージック系の音ネタから持ってくると結構いいのがある。

アタックのキックは不要な高域、そしてサブのキックと被らないように低域もカット。

◇◇◇◇◇◇

ここからはサブのキック(胴鳴りの部分)の解説。

サブのキックはシンセで音作りする。理由は、調整しやすいから。

どんなシンセでもいいわけではなく、アンプとピッチに対して独立してエンベロープをかけることができる必要がある。

今回はOperatorを使った。Simplerでも可能だが、Operatorは音が良く万能型のシンセであり、おまけに使いやすいのでオススメ。

ここでひとつの疑問が出てくる。
エンベロープとは何?


エンベロープとはこういうグラフみたいなもの。

アンプにエンベロープをかけるというのは、音量をグラフのとおりに動かすという意味。
同じく
ピッチにエンベロープをかけるというのも、音程をグラフのとおりに動かすという意味。


このエンベロープというグラフはmsという単位で調節するようになっている。

msはmsecの略でミリセカンドと読む。

時間の単位でmsecという単位があるのですが何秒なのかわかりません ...

msecはミリセコンドで、1000分の1秒になります。

つまり、1000分の1秒という一瞬の時間の中で音量や音程を動かすというのがエンベロープの機能になる。

どん!というキックの音は超スロー再生すると音程と音量が高速で下降している現象であることが分かる。

サブのキックにおいては、そういう音作りを一からやることでキックの響きや太さをコントロールできる。

実際にはOperatorをAbletonの機能である「ラック」に入れて主要なパラメーターを一括で行った。あちこちに散らばったパラメータを一度に調節できるので便利。
このようなパラメーターをラックの「マクロ」にアサインした。

アサインは各自好きなようにやるべきなので全部の説明は省くが、
Dacayというのがふたつある。

Ae Decayというのが響き具合(アンプエンベロープのディケイ)
Pe Decayというのはキックの音の締まり具合(ピッチエンベロープのディケイ)
他には低域、高域のカットのAutoFilterもここでコントロールできるようにしている。

響きや締りといった抽象的な言い方になってしまうのは、シンセの音作りというものがものすごく短い時間の中での現象のコントロールだからだ。あまり日常的な現象でもないので、その感覚には名もなく、分り易い言葉では説明しにくい。

レコーディングに使うエフェクターコンプ(Compressor)なんかも、未だにどんな解説書でもうまく言語化できていない。
あれもまさにミリセカンドのエンベロープの調節だからだ。

でもご心配なく。 やっていくうちに感覚で分かるというものである。

今回の動画は以上のようなことを踏まえて見ていただくと、きっとキックの音作りが誰でも出来るようになると思う。

今回は実際の曲のなかでの実用的な音作りにフォーカスしたが 純粋なキックの作り方をより詳しく というのであれば、これもある(動画と解説記事)↓

  • 関連記事

【Operator 使えるキックの作り方 】Ableton Live8 使い方 日本語 ...

  • コメント欄にて質問をいただきましたので解答します。

初心者 2014/05/28 00:16
動画とても参考になりました。
ひとつご質問なのですが、キック単体で鳴らした時に、Sub kickとFrogger kick4のレベルは各々メーターの半分ぐらいしか出力が無いのですが、Kick Groupの出力はきれいに三角のポイントまで出力されています。
これがどうにも解決できずに小さな音でなっている状態です。初心者の質問で申し訳ないのですが、二つが合わさったGroupの音を大きくする設定を教えていただけないでしょうか?


↑画像はクリックすると拡大できます。
Kick Group(キック2種をまとめたトラック)にはコンプレッサーを挿していました。Ableton Live9純正CompressorとPSP社のVintage Warmerです。
Live9純正CompのThreshを-31dbに設定することで音圧を出しながらレベルを持ち上げています。

↑Vintage Warmerのプラグイン画面です。
その後でVintage WarmerのプリセットMix First Aid 1でアナログ的な暖かさや太さを加えつつ更に音圧を足しています。

Kick Groupに入ってきた2つのキックはAbleton Live9純正Compressor→PSP社のVintage Warmerという経路で2重に音圧を稼いでいたわけです。

なぜ二重にコンプレッサープラグインを使っているかというと、Ableton Live9純正Compressorをかけただけでは音圧だけ上がり、質感が物足りなかったので普段から気に入っているアナログの質感が出せるPSP社のVintage Warmerを足して質感を得たという流れです。

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