ザ・ビートルズ、アナログ盤全世界発売決定 について思ったこと・調べて驚いたこと。


ビートルズ

Stereo Vinyl Box Set [Analog] [Original Recording Remastered, Import, From Us]

ザ・ビートルズ・アイテムのファイナル・ウェポンというべき待望の作品が登場する。スタジオ・アルバム・リマスターを180gアナログ盤でリリースするというプロダクトだ

今回EMIアビイ・ロード・スタジオに集結したサウンドのエキスパートたちは、アナログ盤LPの新たなバージョンを作り出すために、一切の妥協を排除し、アナログ盤の完成を導いたという。

14作のアルバムは、『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』のポスター、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のカットアウト、そして一部のアルバムで用いられた特製のインナー・スリーヴといったディテールもふくめ、オリジナルのアートワークを完全に再現した180gの重量盤でリリースされる。

各アルバムは単体でも発売されるが、全世界5万セット限定の豪華なボックス・エディションには、美麗にデザインされた全252ページの12インチ×12インチのサイズを誇るすばらしいハードカバー本が同梱される予定だ。

http://www.barks.jp/news/?id=1000083517&p=0


180gの重量盤とは何だろう?調べてみた。

Q.重量盤とは何ですか?

LPレコード盤の重量は通常130g前後ですが、この重量を重くしたものを重量盤といいます。
重量を重くすると慣性質量が増加しターンテーブルの回転の安定化が図れると共に、レコード盤とターンテーブルの圧着度が増し、再生針と溝の接触を安定して確保することができるようになります。このことにより、再生信号に余分な外乱が加わる要素が減少しカッティング・マスターの音質により近付いた再生信号を得ることが出来るようになるのです。当社では、ターンテーブルに過度な負担をかけず安定的な音質確保に最適な重量として180gを採用致しました。コロムビアで採用した180gという重量は、長年の経験から得られたベストバランスなのです。

http://columbia.jp/LP/qa.html


レコードを重くすることでレコード盤が回転するターンテーブルにしっかり密着して針と溝の安定度が増す=音質アップ という原理なのか。テクノなどのダンスミュージックのレコードでも時々厚くて重たいやつがあったけどあまり音の違いは分からなかった。重くて取り回しが悪くなるので薄い普通のレコードのほうが好きだったな。


ところで、CDのBOXセットはもうあまり嬉しくない。それはCDがデジタル情報の入れ物だからだと思う。結局パソコンに取り込んでしまうから、我々は直感的にCDの役割は単なるデジタルデータの運び屋だと判断してるのかも。


アナログ盤というのは特別だ。CDのように手軽にパソコンにコピーできない。DAWオーディオインターフェースを普段から使っている層(音楽制作者)だったらチャレンジしてみる人もいるかもしれないが、一曲づつ波形編集するのはとても面倒で時間もかかるし、こだわっていくと高音質なレコードプレーヤーと新品の針も必要になる。


つまりほとんどの人にとってはレコードプレーヤーで聴いたほうがいい音で楽しめる。CDのようにパソコンに取り込んだほうが便利とはならず、レコードのままで再生するほうが楽だ。つまりレコードを所有する意味がある。ちなみに取り敢えず聴くためだけなら普通のレコードプレーヤーで十分だ。


アナログ盤なら最悪、レコードプレーヤーが無くても所有するだけのコレクションとしても満足感を得られる。これはなぜかは分からないが、でかくて重いからかもしれない。


不便で、でかくて重いからこそ価値が発生しているという逆説的現象なのかもしれない。


ちなみにレコードは内側にいくほど音質が下がるという話を聴いたことがあるので調べてみた。

レコードでは一定の回転速度(角速度一定)で、外側から内側に向けて信号を読み出していきます。

1回転する時に、レコード針のたどる距離は外側の方が内側よりも長くなります。
半径10センチメートルの円の円周の方が、半径5センチメートルの円の円周の方が長くなるのは分かると思います。

同じ時間でより多くの信号を拾えれば音は良くなります。
逆は悪くなります。

なお、CDは内側から外側に向かって再生しますが、内側を読み取る時は速く回転し、外側を読み取る時は遅く回転することで、線速度を一定にしているので音質に差はでません。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210780022


なるほど、単純に一周するときの距離が内側にいくに比例して短くなっていく=情報量が減る ということで音が悪くなるんだ。CDは内側から再生開始するので、外側にいくに従って回転速度を下げていって情報量の密度を均質にしているというとこまではしらなかった!!


なお、2013年にはモノ・ヴァージョンのリマスターがアナログ盤デビューを飾る予定となっている。こちらも楽しみだ。

http://www.barks.jp/news/?id=1000083517&p=0


モノラルのバージョンも発売予定とのことで、いったいなぜなのか調べてみた。

ビートルズが現役だった時代はモノラルからステレオへの移行期でした。しかし主流はまだまだモノラルのほうで、ステレオは「珍しいもの」という感じです。現在の「主流はステレオ、サラウンドは珍しいもの」という状況と似ています。
 ですので、ビートルズのアルバムも「モノラルが正式」なものでした。メンバーもエンジニアも全力でモノラルを制作、ミキシングしたわけですね。
 で、ひと仕事終わったあと、そのあとエンジニアに「ついでに“ステレオ”でもミックスしておいて」と制作させたようです。 
 モノラルからステレオへの移行は、最初とまどいがあったらしく、ジョージ・ハリスンもインタビューで「スピーカーふたつを一つにまとめて置いて聴いていた」と言っていました。

http://blog.sa-cdlab.com/?eid=796608


むしろ、「モノラルが正式」だったとは。個人的にもクラフトワークYMOのリマスターCDを聴いたときに低音が豊かになりすぎて違和感を感じたことがある。ステレオからモノラルになって情報量が減っても、当時聴いていたものがモノラルだったならそれが正しいと感じるのはよくわかる。私にとっても低音があまり出ていないYMOクラフトワークのほうが正しい感じがする。今回のビートルズのリマスターされたモノラル盤は昔のレコードとは全く違う出音だとは思うけど・・。

ザ・ビートルズ・スタジオ・アルバム・リマスター・アナログ盤シリーズ
2012年11月14日 日本発売(英国11月12日、北米11月13日発売)
輸入国内盤仕様(日本語ブックレット以外はEUからの輸入)
1LP:3,800円 2LP:4,800円
*英語ブックレット翻訳、日本語解説、歌詞&対訳付
BOXセット:59,800円
*英語豪華本翻訳、日本語解説、歌詞&対訳付


http://www.barks.jp/news/?id=1000083517&p=0