App StoreでiPod Touch用に3つほど音楽系App(アプリケーション)を買ってみました。

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  • 所感

Band、Pianist(Moo Cow Music)とBeatMaker(Intua)を買いました。3つ合わせても4千円くらいです。
どれも思ったよりも実用性があって楽しいです。Band,Pianistは生楽器をBeatMakerはAkaiの電子楽器MPCシリーズをソフトウェア上でエミュレートしたものですが、PCと違ってタッチパネルで入力するのでマウスや外付けのフィジカル・コントローラー(ツマミやフェーダー)などの世界とは操作感が大きく違います。
画面に表示された鍵盤やドラムパッド、弦楽器のフレットの絵を直接触る事が出来るというのは、今まで無かった世界です。このへんに関してはYOUTUBEで散々チェックしていたのでどういうものかよく分かっていたので割と迷わずに気楽に買えました。
実際に使ってみるとBand、Pianistの鍵盤やドラムパッドはちゃんと反応し、音も気持ちよいです。小さな画面なので限界はありまくりですが、画面の中の鍵盤を弾くと反応してアニメーションし、音が鳴る。このファンキーさ、陽気さ!この異常に分かりやすい未来感はたまらないです。使ってる絵面はほとんどギャグですね。画面にPianistの鍵盤を表示して本物のシンセの鍵盤のそばに置いて作曲作業したりしていると気分が上がるというか・・。
つまり置いておくだけで楽しい気分にさせてくれるムードメーカーや象徴としての役割は果たしてくれます。近未来に登場するであろうデバイスのミニ版が手に入り、色々試せるような感じのヨロコビですね。そして、ちゃんと遊べて、以外と実用的という感じです。
起動が早いし、常に持ち歩けるのでPCぽくない。YAMAHAのQYシリーズなんかに通じるものがあります。
QYの後継機みたいなのもそのうちどっかから出るんじゃないでしょうか。

  • Moo Cow MusicのPianist

http://www.moocowmusic.com/
俺が買った3つのうちで最も使っているのはPianistです。これはたまたま景色のきれいなところなんかに行った時に、iPod機能で好きな曲を聴きながらムードが高まってきたらPianistに切り替えて、即興で録音してみるといった作曲のメモ帳として使っています。せっかくこんなちっちゃなマシンなんで家だけで使ってててももったいないですから。メトロノーム機能を鳴らして、クリックにし、多重録音しています。iPodの歌詞表示機能を利用して主な曲にはコード進行をあらかじめ調べて入力してあるので、その場でそのコードを参考に違うメロディを考えたり出来るのです。Bandの方は特に不満はないのですがなぜかあまり使わないです。

  • IntuaのBeatMaker

最もコーフンしたのはこのBeatMakerです。(http://www.intua.net/products.html)一言で言うとMPCです。MPCユーザーのみなさん、ぜひ一度お試し下さい。すごいですよ。指でやる波形のエディットはすごーくやりやすい。動作も安定しています。ユーザー波形もどんどん使えるし、直感的という意味では本家MPCを超えているかもしれません。オートメーションを書くのは指でサーッとやるだけだし、シーケンサー部分のパターンを並べる画面はすごく簡単かつ斬新で反応も良くまだver1.0なのにちゃんとしてて感動的です!ミュートの反応もすごく良い!とにかくタッチパネル(とAppleとIntuaの技術力)すごいです。出来た曲はWAVファイルで書き出せるしものすごいポテンシャル。あとはPCでマスタリングするだけ!
つまり従来MPCでやっていた分のトラックメイキングがちゃんと出来ちゃう。音質は色づけが無く素直です。自分で作った音を移して鳴らしてみると分かります。今のとこの欠点は出音が小さめ(これは耳の保護のためだと思う)なこと、マスターボリュームが無いこと、いらないファイルをデリートすることが出来ないこと(!)です。(すぐ対応されるでしょう)

Moo Cow MusicもIntuaも今まで聞いた事も無いメーカーです。アプリは結構売れてると思うのでこのチャンスをうまく掴みましたね!

  • たぶん未来はこっちの方向に流れていく-

元来ソフトシンセは実在の生楽器やハードウェアのエミュレーションなので割り切り(=不便なホンモノよりも便利なニセモノを選択する、という考え方)が必要で、再現性はばっちりだけどもUSB外付けの鍵盤やツマミなどを買ってきて使う時に接続しないとフィジカルな演奏は出来ませんでした。PC本体とOSと、フィジカルコントローラーとソフトシンセとDAWアプリが全て異なるメーカーが作っていて、相性問題が発生したりして、うまく動作しないこともしばしばで、そういうときに感じる理不尽なストレスから逃れることは出来ませんでした。それはPCで音楽制作している以上構造的な必然(一社でOSからソフトからフィジコン、PC本体まで全て引き受けて作っているという会社は存在しないため)だからです。
iPod TouchiPhone 3Gは文字入力のキーボードも鍵盤もドラムパッドも全てタッチパネル液晶内でエミュレートするので、USB外付けの鍵盤がある日突然認識されずにイラっとするといったことがありません。
つまり電子楽器におけるユーザーの使い勝手としては一社によって垂直統合された環境が望ましい、と。また、ソフトやOSのバグは苦情を出す先が明確ですが、USB鍵盤など外付け機材の相性問題ははっきりとした苦情の受け付け先がありません。同じ鍵盤でもソフトにもよるし、同じソフトでも鍵盤による、といった具合です。たらい回しというやつですね。
iPod TouchiPhone 3Gの音楽アプリはAppleが作っているわけではないので一社による垂直統合ではありませんが、例えばある会社がアナログシンセを音だけでなく鍵盤やフェーダー(タッチパネルじゃツマミは難しい?)などまでまるごとエミュレートしてしまうという発想は上記のような理由からもありがたいことです。タッチパネルによってソフトシンセと鍵盤(やドラムパッド等)が一体化して安定化し、手軽で迷わずすぐ使え、また安上がりです。デジタルの割り切りの世界の究極といえるかもしれません

  • ソフトシンセが実体化する日 みんなダフトパンクみたいになっちゃうぜ!

このiPod TouchiPhone 3Gをそのまま大きくしたようなデバイスが登場すれば本気で電子楽器の世界をひっくり返すようなことになると思います。弾き心地や操作感は本物の鍵盤やMPCのドラムパッド、ミキサーのフェーダーにはかないませんが、再現性や手軽さ、安定した動作、オープンなプラットフォーム(VSTAUなどフリーソフトがある)といった点は大きな魅力となります。とにかくACアダプターと PC本体とヘッドフォンだけでそれなりに演奏したりサクッと何か作れるということです。俺は難しい音楽は出来ないし元来単純でシンプルなのが好みなんでその分コーフンがそのまま音に直結するようなやり方が好きで、手軽で簡単で初心者向けの誰でも使える単純な機材が理想なんですが、だからこそお手軽の極地であるデジタルなデバイスの登場を願ってやまないです。
マウスをつかんで矢印を動かして起動するのはダセー!USBの鍵盤をつなぐのはカッコワリー!机の上でしか作業できないのはカッタルイ!それよりもいつでもどこでも持ち歩ける光る画面を指でぽんぽんと操作し、画面のなかのヴァーチャル鍵盤を演奏したりフェーダーを操作したりしたい!数年後のその頃には出音はエレクトロな感じじゃなくてもダフトパンクのLIVEの時みたいな絵面がスタジオや部屋やそこらじゅうでありふれてるのかもしれません。いや、あんなカブリモノはしてる人はいないと思いますけどね。