iPadに移植されたPPG WAVEがもうすぐ発売 PPG WaveGenerator 期待のデジアナサウンド。
- オリジナルのPPG WAVEは1982年のドイツ製シンセサイザー。
- PPG (Palm Producttions GmbH)社は1975年にドイツ・ハンブルクで設立された。オルガン奏者だったウォルフガング・パームがタンジェリン・ドリームのメンバーらと共に、彼らのためのカスタムメイドのシンセサイザーを開発するために立ち上げた会社
(こちらから引用しました)。
- デジタルシンセ黎明期のモデルなので8ビット〜12ビットの性能であり音源やコントロール部分はデジタルだがフィルターやVCA はアナログ。
- 連続性を持たせた無数の波形を並べて、切り替えていくことで過激な音色の変化を持たせるという過激な手法(ウェーブテーブルシンセシス)が特徴であり発明だった。
- 特有のエイリアスノイズのあるロービットなデジタルサウンドとアナログフィルターの結果、退廃的で「病んだ」音が出る。仕組み的に8ビットや12ビットの古いサンプラーのサウンドとも近いかもしれない。(こちらに詳しい情報があり)
↓こちらの動画でビンテージな実機のサウンドを聴けます。
↓ PPG Wave2.2でベルの音などを演奏するデペッシュ・モード
- 今回のiPadに移植されたPPG WaveGeneratorはオリジナルPPG WAVEシリーズとは違ってクリーンで健全なサウンドだ。
- しかしオリジナルの開発者であるウォルフガング・パーム自らがMacとiPadを買ってプログラミングするところから始めたプロジェクトであり、間違いなくPPG WAVEの遺伝子が引き継がれていると思う。
↓ ウォルフガング・パームがPPG WaveGeneratorアプリの紹介をする最新の動画
- iPadのPPG WaveGeneratorアプリでは色んなやり方でシンセサイズが行える。
- オリジナルの波形とウェーブテーブルを作れる。
- 描くように弾いたり単に弾いたりすることで音響的な演奏が行える。
- 3Dグラフィックでウェーブテーブルを視覚化したページ。
- カメラで写真を撮りそれを変換してウェーブテーブルを作成。
- 256の波形、3オシレーター、3ノイズオシレーター、アナログな歪みまでエミュレーションした24dbローパスフィルター、2つのVCA、ピッチ、波形、フィルター、ノイズゲイン、パンニングに使える13のエンベロープ、4LFO、アルペジエーター、ディレイ、リバーヴ。
- 以上のような大変な仕様になっており、かなりマニアックなシンセサイズ、音響合成の実験が行える環境のよう。
- 映画音楽に使われるような抽象的な雰囲気のシンセのドローン、オービタルやケミカル・ブラザーズのような実験的なシンセサウンドをiPadでやるのに向いているように思う。オウテカに代表されるようなシンセ・ノイズ系の実験にも使えるかもしれない。
- 現在はAppleにアプリを提出して審査待ちの状態だそうなので近日発売予定。
- 価格は19.99ドルなので、国内予想価格は1,500円くらい。
- 発売されたら取り敢えず買ってみるつもり。発売記念セールやってくれたら嬉しいなあ。
iPadのPPG WaveGeneratorアプリで作ったデモソングがこちらのオフィシャルSoundcloudで沢山聴けます。
PPG WAVEをApp Storeでチェックする
WaveGenerator - Wolfgang Palm
↓ PPG WAVEを完全再現したソフトシンセもあります