AKAI SynthstationアプリをiPadで使うときの3つのコツ。
一部の地方では気温が体温と同じぐらい上昇したそうで、すごく暑い日だったが帽子をかぶりウォーキング・ポールを持って少し遠くまで歩いて日陰のある休めそうな公園へ。
iPadのシンセサイザーアプリで音を作ってmini kaoss pad 2のエフェクトをかけ録りして音素材の作業でもしようかと企んでいたが、出かけるときにエネループを入れ替えた際に間違えて空っぽのやつを選んでしまったらしくmini kaoss pad 2の電源が入らないorz。
一気にモチベーションがダウンしてしばらく小説を読んだりしてたが、なんとなくAKAI Synthstationアプリ(関連記事はこちらからどうぞ)を弄ってみたくなって立ち上げたが、今度はアプリが立ち上がらないトラブル。
まあホントはトラブルでもなくてこのアプリは前からこうだ。
iPad(初代)を再起動して、直後に試したらAKAI Synthstationは難なく起動した。
SynthStation - Akai Professional
家だったらちょこっと遊んでなんかいつもシーケンサーがよく分からなくて軽く落胆しつつやめてしまうパターンなんだがここでは他にすることもないので集中力が出てきて腰をすえて取り組んでみた。
特にマニュアルもないのでシーケンサーの画面(GRID EDITという)をじーっと眺めては試すうちに使えるようになった。
- コツその1
ひとつのパターンを繰り返しさせる、いわゆるループレコーディーングの作業をするには[PERFORM]画面で[CHAIN SEQ]をオフにする(右上の再生ボタンの真下にある)
- コツその2
パターンを保存するのは基本オートセーブ。パターンの名前を変更するにはキーボードで入力した後にキーボードの[done]キーを押してウィンドウ閉じると変更出来る。
日本語でも一応入るが一覧のウィンドウで文字化けするのでやはり英語で入れよう。
- コツその3
打ち込んだりする前に[PERFORM]画面左上のミキサー部分でパートごとのバランスを調整する。
その際にまずはドラムの音だけを出して、ドラムサウンドが気持よく低音まで聴こえるような音量に合わせて、そのあとで各シンセの音量を少しずつ上げていく。
こうすると非常にパワフルな感じに。ダンスミュージックにも対応できるバランスになる。
シーケンサー部分(GRID EDIT)に関しては動画でやって見せる必要がありそうだけど、慣れない見た目(俺的にはとっつきにくかった)を乗り越えれば基本的に「テノリオン」に音を伸ばす(音符をスラーする)機能がついたような打ち込み方で、ポチポチ入力系だ。
このステップ入力の方式は、タッチパネルと相性が良く疲れにくい操作性になっている。
左端に縦方向の鍵盤表示があり、ピアノロールの仲間だがパソコンのピアノロールを移植したような他のアプリと比べると単純で直感的だ。
もちろんリアルタイム入力にも対応しているから画面に表示されたパッドや鍵盤から演奏して入力していける。
リアルタイム入力は[PERFORM]画面から行うが、各楽器に電源スイッチのようなボタンがついている。
録音状態でシーケンサーを走らせている際にこの電源スイッチを押してある(青くなる)パートの音がレコーディングされるようになっている。
録音中に、ドラムのパッドにどんな音がアサインされているか確認したいときにはシンセのパートのほうをオンにしてやればレコーディングされずに音だけ確認できたりする。
音色の確認の為にいちいち止めずに済むのがナイス!
基本的にほとんど全ての操作は再生を止めずに可能だ。使い勝手はかなり良い。
アプリが立ち上がってしまえば、動作は軽快でありいわゆるモッサリ感は全く無い。
今回は初代iPadで一時間近く作業したが落ちたりもしなかった。
今までAKAI Synthstationに何度もトライしてはすっきりしないまま終了してたが、ようやく使えるようになった。
そもそもなぜ何度も挑戦したかというと音が魅力的だったからだ。
音が魅力的。ホントにその1点につきる。
用途としてはぶっといベースサウンドとかには向かないがJUNO-106の音のようなザラッとしたチープで味のある傾向の音が出る。でもシンセとしては3オシレーターでありオシレーターシンクまで可能でかなりマニアックな複雑なことまでやれる。
ドラムのパートはドラムマシンのマニアのコレクションのような趣でピッチの変更も個別に行える。
何よりも好きなのはアルペジエーターだ。いつの間にかAKAIのMIDI鍵盤はアルペジエーターが特徴になったが、AKAI Synthstationのアルペジエーターも最高だ。実際に使ってみないと分かりにくいのでぜひ試してみて欲しい。
AKAI SYNTHSTATION49
ここからは欠点も挙げていく。
AKAIとしてはハードウェア機材のメーカーなのでハードウェアを売ってナンボだ。
このAKAI Synthstation AppもAKAI Synthstation25(iPhone、touch用)やAKAI Synthstation49(iPad用でこれから発売予定)という鍵盤型のコントローラーを売るためのアプリだ。
AKAI Synthstation 25と49からなら全てのパートに専用ボタンで簡単にアクセス出来る。Synthstation 25はCore MIDI以前からあり、AKAI独自のクローズドな通信の信号を使って動いている。
そんなAKAI Synthstationアプリも音楽アプリのトレンドの流れに乗ってCore MIDIに対応(アプリは対応したがハードウェアのSynthstation 25は非対応のまま)したので一般のMIDI鍵盤からもシンセパートの1つだけを弾けるようになった(アプリの画面で選択した音源を弾ける...がシンセがアルペジエーターのLatch機能とは無関係に鳴りっ放しになったりして不安定な印象)。
MIDIインターフェース経由でMPC1000から全てのパートをMIDIで鳴らしたりして遊びたかったが、それは出来ないように制限が加えられていて(パートの切り替えにはMIDIチャンネルではなく独自のプロトコルが使われていると思われる)、まだ仕組みとしてユーザーには納得がいかない。
例えば KORG のiMS-20なら上記のMPCで全パートを個別のMIDIチャンネルで鳴らすことも可能だ。
現状ではAKAI Synthstation25と49でないとこれは出来ない!というような必然性はユーザーには見えにくい。
また、49の方はiPadが垂直になっているので長時間の操作は腕が疲れるに違いない。どこか無理がある。
訂正します。ゴメンなさい。充分使いやすい状態まで倒すことが可能でした(もしかして完全なフラット状態までいけるかも)。
AKAI MPC Fly
しかし、今年中に発売される予定のMPC Flyにはハードウェアを買いたくなるようなユーザー体験が期待できそうだ。
アプリ側ではVirtual MIDI ←すみません勘違いでした (^_^;) Core MIDIやAudioPaste、そしてWISTにも対応しiPodライブラリからサンプリング可能(その際の画面はターンテーブル!)といったふうにやる気が違う。
ハードウェアのパッドコントローラ部分にはリチウムイオンバッテリー内蔵でありどこでも持ち出して使える。
合体させたiPadは垂直から完全なフラット状態まで可変出来るので問題ない。
これならユーザーにも買って試してみたいというハードウェアならではの必然が見えてくる。
MPC FLYについてはまとめ記事を改めて書きたい。