ダフト・パンクの作曲研究002 【図解】デジタルラブの四つ打ちの構成は「鳴っては止まる」これを他の四つ打ちの曲でやるとすごく不自然で、成立し難い。

Discovery
ダフト・パンク/Discovery(Amazon)

Discovery - ダフト・パンク(iTunesストア)Discovery - ダフト・パンク

昨日に引き続き、アルバム ディスカバリーの中からDigital Loveを解説、今回は少し具体的に。

僕がダフトパンクの研究を始めたのは一ヶ月前からで、目的はテクノの手法やスタイルのままでポップスを作ること。
元々はハードなテクノのスタイルだったダフトパンクがどのようにして、アーティストとしてブレずに多くの人に受け入れられる存在になっていったのか?というのがテーマです。
このような、前提になる部分を昨日の記事(こちらからどうぞ)では省いてしまった。

↓デジタルラブの構成

色が付いている箇所が低音が鳴っている箇所。
黄色が四つ打ち、青は「非四つ打ち」のビート。
全体では151小節(冒頭の、前曲から続く効果音は除く)。
低音が鳴っている箇所は56小節で、鳴っていない箇所は96小節となっている。純粋に四つ打ちが鳴っている箇所に限ると151小節のなかで40小節しかない。これがデジタルラブの大きな特徴となる。

デジタルラブの四つ打ちの箇所は最大でも16小節、基本的には8小節しか連続で鳴らない。このような「鳴っては止まる」構成を他の四つ打ちの曲でやるとすごく不自然で、成立し難いはずだ・・・といったところで今回は終わりだけど、少しだけ続きを書く。

デジタルラブの四つ打ちの箇所はなんとなく一般的な四つ打ちの気持よさとはちょっと違う点に注目した。

ハッキリ言うと、デジタルラブの四つ打ちの箇所は本来もっと気持ちよく出来るはずなのに、あえて気持ちよさが抑えられている。

それはキックがやけに固めで乱暴なミックスである点、上モノが少なめになっている点からも分かる・・・といった感じで明日!

  • 関連記事

当ブログにはダフトパンクについての記事は多数あり。こちらの一覧からどうぞ。


ダフト・パンクの当時の機材でハウスを鳴らしている動画(S-760のフィルター操作)
http://www.youtube.com/watch?v=TamPZ7SC8nQ

デジタルラブの低音のカットにはROLAND S-760のフィルターが使われていると思われる。
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2013年 07月号 (CD-EXTRA付) [雑誌]
(サウンド アンド レコーディング マガジン) 2013年 07月号 (CD-EXTRA付)
↑今月号のサンレコにアルバム、最新作の記事だけでなく、98年当時の「HOME WORK」の頃の制作環境が載っている(これを読みたくて買った)ので簡単に触れると、

  • まずシンセやサンプラー(ROLAND S-760)、ドラムマシンなどをMacシーケンサー(Logicの古いやつ)から鳴らしてミキサー(Mackie)でまとめてDATに録る
  • DATに録った音を例えば8小節単位でサンプリングしてシーケンサーサンプラーの組み合わせでデジタル編集してそれをDATに録るというDAW以前のスタイル。
  • DAWを使って全てをコンピューター内で行えば簡単になるが、このデジタルラブの太く曖昧なところのあるアナログぽい質感まで再現するにはDAWでもかなり凝らないといけないだろう(質感まで再現しようというのはもはや趣味の領域だが)。

MASTER OF Live 9